Column:コラム

アメリカTVライター:池田 敏

10年も続いた大ロングラン

まず、「JAG犯罪捜査官ネイビーファイル」(以下「JAG」)がアメリカでどれほど人気があるかをご紹介すると、アメリカでは1995年秋から10年間も続きました。アメリカのネットワークテレビの歴史は実質的に第二次大戦直後の1946年に始まったんですが、それから60年経った今でも、夜のプライムタイムで10年も続いた番組は100本に届いていません。「X-ファイル」でさえ9年しか続いていないことを考えると、大ロングランといっていいと思います。

ちなみに日本では97年から首都圏ではテレビ東京で日曜のお昼に放送されています。首都圏含め五大都市圏の地上波で放送されたことで、90年代の海外ドラマの中でもお馴染みといっていいと思います。その後、CSのSuper! Drama TV(旧称:スーパーチャンネル)では、地上波ではやらなかった分も放送していて、もう第7シーズンに到達しています。こうしたことから、日本にも支持してくれる熱心なファンがいることが分かります。 それと、この「JAG」がユニークなのは、実は第1シーズンはNBCネットワークで放送されたのに、第2シーズンからCBSネットワークに移って製作されました。他局に移っても続いたシリーズはけっして珍しくありませんが、「JAG」は放送局変更の事情があって物語が第1と第2でつながっていない珍しいケース。で、ありながらも、逆にいえばそれだけ面白いことをファンが憶えていたし、見続ける理由になった証明といえますね。とにかく手離したNBCはさぞ悔しかったと思います。 また「JAG」は2005年に10シーズンで終了しましたが、そのスピンオフ、私は兄弟番組と説明することが多いんですが、「NCIS~ネイビー犯罪捜査班」はアメリカでは昨年から今年にかけて全米視聴率ドラマ部門で第8位の「LOST」に継ぐ第9位で、第13位の「24」より上位につけています。