Column:コラム

ミリタリー・アクション

まず、私はこの個性が一番強いと思いますが、「JAG」は筋金入りのミリタリー・ドラマです。「JAG」の第1シーズンの主人公はハーモンとメグという美男美女のコンビ、特にハーモンのほうは演じる俳優のデビッド・ジェームズ・エリオットが軍服も似合う二枚目なのでいわゆる“軍服萌え”という‘やおい’も含め、意外と女性ファンが多いのは彼がいるからだと思います。

話をミリタリーに戻しますが、海軍の中で起きた事件なら海外にまで行っちゃうのが、「JAG」の特徴です。第1シーズンでハーモンたちはペルーにも行きますし、イラクにも行きますし、ボスニアやキューバにも行きますが、このバカでかいスケールは普通の弁護士ものや警察ものにない見所で、これぞミリタリーものだと私がいうところです。

軍の中で起きる事件というのもスケールがデカくて、実弾射撃訓練中に味方が誤射されたとか、ミサイルが盗まれたとか、戦闘機が墜落したのが操縦ミスだったかどうかとか、推理の要素もあるドラマとはいえ、並のミステリーではありません。

凄いのは捜査中に、他の国の軍と交戦状態になったりすることもあって、そこでは銃撃戦とか、テレビドラマの枠を遥か超えた、映画に負けないスケールの一大アクションが展開します。

このドラマはアメリカのパラマウント映画のテレビ部門が制作していて、そのおかげで歴代のパラマウント映画から映像を借りるという離れワザが可能になっています。具体的には「トップガン」の戦闘機の飛行シーンや「レッド・オクトーバーを終え!」でアレック・ボールドウィンがヘリから潜水艦に飛び移る場面が流用されています。これは番組のスケールを大きくする効果を見事にあげていますが、マニアックな映画ファンなら何が元ネタかを当てるお楽しみがあります。

TVのミリタリー・ドラマの系譜で言うと、いまNHKのBSでやっている「コンバット」や最近あったスピルバーグとトム・ハンクスの「バンド・オブ・ブラザース」とかありますが、この「JAG」もそのあたりが好きなファンなら「ごちそう」というか、きっと高い支持を得ているかと思います。