Interview
Interview vol.1 パトリシア・アークエット:アリソン・デュボア役 2007年2月27日 L.A.撮影セットにて
Q11: ドラマでの、感情的な挑戦についてはいかがでしたか?
PA: 昨年はひどかったと言わざるをえないわね。年末を迎えるころにはものすごく具合が悪くなってし
まったし、すっかり疲れ果ててしまったの。すべてのものを恐がるようになったりね。夫に、「窓や戸に
カギをかけた? 赤ちゃんはどこにいるの? 赤ちゃんがそこにいるって確かなの?」って問い詰めるほど
だった。ドラマでの私の家族は明るい側にいるというのに、犯罪への恐怖をそれほどまでに吸収してしまっ
たのね。年末になると本当に消耗してしまって、逃避しなければって思った。おまけに、私自身、他人に
対して感情移入するようになっていたの。例えば、「この女性はニュースで報道しているように、家族全員
を殺してしまったの?! 信じられない!」とか「戦争のせいで世界中で人が死んでいるのよ!」というよう
にね。だから、夏の間中ヨーロッパに行っていたの。言葉が分からないから、ニュースを聞いたり、新聞を
読んだり、テレビを見たりすることができなかったから、そうしたことを無視できた。そうした情報の遮断
がとても大事だったの。
Q12:このドラマは犯罪についてのシーンも多いですが、それについてどう思いますか?
PA: そうとも言えるわね。でも、私は警察署に勤務する人々が…。ある時、かなり治安の悪い地域で撮影し
ていた時のことよ。トラックで通ったら、路上に銃で撃たれたばかりの人が倒れていて、立ち去る時にもう
一人撃たれたの。私たちはテレビで銃撃戦をよく見るけど、貧しい人々が暮らす地域では、麻薬が充満する
場所に足を踏み入れたがために撃たれた子供のことなんて誰も話したがらないから、報告されない犯罪も
多い。これが一般的じゃないと願いたいけど、不幸なことに、犯罪はある種の人にとっては生活の一部に
なってしまっている。もし少しでも安堵感を求めるなら、このドラマを観ることを勧めないわ。
この作品は、ある特別な人とその人の特殊な体験についての物語だと思う。もし、刑事もののドラマを作る
なら、犯罪を取り扱わなくちゃいけないでしょ。そんな風に、彼女の使命は犯罪と渡り合うこと。
犯罪解決の手助けすることを使命にしている人物についての物語だから、自動的に犯罪シー
ンも観ることになるのよ。
Q13: 番組で描く結婚生活はリアルだと思いますか?
PA:正直言って、この番組にかかわったことで、そして、ドラマで描く夫婦関係を演じることで、良い夫婦
関係の築き方について学んだと思うの。ジェイクは多分気付いてないと思うけど、彼もまた、このドラマで
の夫婦生活を経験したことで、私生活でもより良いパートナーになったと思う。
私はその変化を目撃したもの。そして私もまた、その変化を私自身の私生活で感じた。妻は霊能力者で、
夫は科学者という、これ以上ないほど異なる二人だけど、まるで双子のように共通している点は、子供を
心から愛する気持ちと人生や生活に対する価値観、そして、子供と過ごす時間を大切にする気持ちなの。
二人とも、物事を水に流すのがとても上手。言い争うことはあっても、いつまでも一緒だということを
知っている。ケンカが別れにつながるかもしれないという不安なんて、これっぽっちもないのよ。二人は
とてもウマが合うの。片方はバイタリティがあって、片方は疲れやすいけど、それでも良いの。彼らは、
それが二人の長年の生活スタイルだと心得ているのよ。こんなカップルの関係は、これまでテレビ・ドラ
マで見たことがないし、こんな風に巧みに観せる作品を知らないわ。映画でも観たことがないわ。
このドラマは、夫婦関係のとても良い例だと思うの。彼は男として本当に理解があるけど、男性としてあな
たを理解すればするほど、二人の関係は良くなるのだと思うわ。
Q14: ドラマを始める前から、霊能力者の存在を信じていましたか?
PA: ええ。何度か見てもらいに行ったことがあるの。その時に、「まあ、この人は本物の霊能力者だわ!」
という驚くべき体験をいくつかしたわ。それから、「私のほうが霊能力者っぽいわね」と思う霊能力者も
何人かいた。私も霊能力者のフリは上手いのよ。
多くのプロの霊能力者を可哀想って思うのは、嘆いている人や誰かを失った人たちを利用する人がたくさん
いるということよ。誰かを失うと、人は最も傷つきやすくなる。私自身たくさんの人を亡くしてきたから
信じているんだけど、おばあちゃんとか、他界した誰とでも直接話すことができるの。
「おばあちゃん、愛しているわ」って言えばその声は彼らに届く。霊能力者に会いに行く必要なんてないの。
もちろん亡くなった人たちはもう大丈夫よ。神様は寛大で慈悲深く、すべてご承知だから恐れる必要なん
てないの。そうは言っても、子供を失った人たちが心配するのは分かるわ。初登校の日、親の付き添いなし
で教室に入るのを怖がるような我が子を、死の入り口で置き去りにすることができる? 「私の子はどこ?
あなたはそこでうまくやってる? 寒さにふるえているのではないでしょうね?」とか、そういうことを
心配してしまう。アリソンを演じていると、こうしたことをいろいろ考えるようになるの。法廷とかで子供
を失った母親を見ると、そうしたことが気になってくる。でも、人はみな死を経験する。それは普通なのよ。
ショッキングだけど、現実ではそうでしょ。
翻訳=www.HollywoodNewsWire.net