ミディアム 〜霊能捜査官アリソン・デュボア〜

Interview

Interview vol.1 パトリシア・アークエット:アリソン・デュボア役 2007年2月27日 L.A.撮影セットにて

Q5: デヴィッドの監督としての腕前はどうでしたか?
PA: あなたたち、デヴィッドの監督した映画を観るべきよ。 題名は『The Tripper』っていうのよ。 初めて長編映画を監督した作品で、ものすごく良くできているのよ。 あれこれと映画に厳しい私が言うんだから。これまで私が出演を決めた映画のほとんどが、とてもエキ セントリックで、変わっていて、独自の意見を持つものだったけど、 『The Tripper』 は確実にそんな 作品ね。デヴィッドは、その映画をこの番組のクリエーターのグレン(ゴードン・キャロン)に見せ たの。そうしたらグレンは、デヴィッドに監督してみないかって勧めたの。その時、デヴィッドは テレビ・ドラマに出演していた。だから、彼はやりたくないだろうと思ったし、できないだろうって思っ たの。実際に監督を務めることになった時にはとても興奮したわ。

Q6: 一家でテレビ・ドラマ界制覇ですね。ところで、テレビ・ドラマのレギュラーということについてどう思いましたか?
PA: 私たちは、世界を制覇するつもりよ。どんな手段を使ってもね(笑)。 私はテレビ・ドラマについては本当に無知だったから、質問できるたった一人の人物コートニー(・コッ クス。デヴィッドの妻)に意見を求めたの。彼女は、出演したのが30分のコメディ・シリーズ(『フレン ズ』のこと)だったから、『ミディアム』とは違うけど、いろいろ話をしたわ。そうして、互いを元気 付けたの。電話もし合ったけど、お互い仕事に必死でとても疲れているのよ。(コートニーは2007 年1月からテレビ・ドラマ『Dirt』に出演中)

Q7: 俳優でもある旦那さん、トーマス・ジェーンの出演について教えてください。
PA:番組のクリエーターのグレンは、長い間トーマスを起用したがっていたんだけど、彼は映画とかで 忙しくてなかなか実現しなかった。そこでグレンは、トーマスに演じてもらいたいキャラを登場させた 脚本を書いたの。そのことを私が彼に話したら、読んでみたいって言ってくれた。もちろん家では、特別 に愛嬌を振りまいたわよ。「お願い、出演して! あなたがいないと寂しいの」ってね。

Q8: では、良い関係を表現できたのではないでしょうか?
PA: 楽しくて、笑えたわ。とても興味深かった。トーマスが演じている姿を見るのが好きなの。なぜなら、 私は彼をとてもよく知っているのだけど、カメラの前では少し変わるの。照明がついた瞬間、「彼って なんてカッコイイのかしら!」って思うわよ。

Q9: このドラマは、シーズンが変わっても登場キャラが増えたり消えたりしません。
それぞれのシーズンの違いと見どころを教えてください。

PA: このドラマは、死んだ人と会話できたり、目撃していない犯罪が見えたりする人を描く、とんでも ない話。その一方で、ものすごく一般的な家族を描いている。実在の人物を基にした話で、多くの人が 彼女と同じような仕事に就き、 同じような“能力”を持っている。その“能力”は、こうして今、私の 人生に大きな影響を与えている。視聴率を稼ぐために起きる出来事、たとえば、突然、愛人が登場したり、 セックスマニアになったり、泥酔したり、片足をなくしたりといったことは、実際の生活ではほぼありえ ない。私たちの番組では、人生で起きる変化はすごく穏やかで小さいというのを表現している。 誰かとの関係に飽きて、相手に文句を言われても気付かずにいて、それを繰り返すうちに、ある日、それ に気付くの。そしてほんの少し自分を変えてみる。でも、一歩戻って、また同じことを繰り返す。 そうして、少しずつ良くなっていく。それと同じで、このドラマでも、それぞれのエピソードは独自の 物語として独立しているんだけど、私の演じるキャラクターの視点から観ると、第1シーズンでは、彼女 が自分の能力に強い違和感を持ち、恥ずかしいと思い、隠そうとして傷付いて、結婚生活を複雑にしてい るという罪悪感を持っていた。第2シーズンでも、少し同じ感覚を持っているけど、「信じて、私を信 じて!」っていう気持ちが芽生えた。そして今年、第3シーズンでは、「これが私の見たものよ。これが 何なのかが分かるわ」っていう風に、もっと強くなるの。

Q10: アリソン本人と話をしますか?
PA: 彼女とはしょっちゅう話をするワケじゃないわ。実際にアリソンが一つの事件と出会い、裁判を経て 解決に導くまでには四年という長い年月がかかっているから、番組のストーリーのほとんどは脚本家が 作っているもの。実際の事件は、このドラマのように素早く解決することはない。でも、彼女は脚本家に 電話したり、脚本家からの質問の電話に答えたりして、彼女の人生でどんなことが起きたかを教えてあげ て、番組作りに貢献している。彼女には何度か会ったことがあるけど、本当に好感が持てる人よ。 ドラマがスタートする前に、彼女とその家族と一緒に過ごしたんだけど、私は、彼女が自分の能力にとても 自信を持っていることに気づいたの。それはとても興味深かったんだけど、私は彼女に「このドラマのアリ ソンは、自信を持った今のあなたではなく、10年前のあなたなの」と言ったの。そして、「結婚生活もずい ぶん長く続いているし、自分のその能力に違和感を持たなくなっているわ」と思ったけど、私の役目は、 この突拍子もない話を視聴者に信じてもらうには、ある朝突然、自分に霊能力が備わっていることに気付い たら、どんな風に感じるかを示さなければならないことだって思ったの。生活をどんな風に変えてしまった かをね。

翻訳=www.HollywoodNewsWire.net

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