Part4 ■人呼んで「D&ディーゼル」

『トリプルX』『ワイルド・スピード』『リディック』。
ヴィンさま主演のこれら3シリーズに共通しているのは、途中からヴィンさまがプロデュースにも関わり、彼の主張and/or趣味がモロ出しになるということだ。まあ、『トリプルX』に関しては、彼がプロデュースする前の第1作から全開だったのだが。

まずは、元祖ロールプレイング・ゲーム、由緒正しきファンタジー系テーブルトークの本家本元『ダンジョンズ&ドラゴンズ』、通称『D&D』を知らねばならない。そしてヴィンさまが、その『D&D』の30周年記念本で序文を寄稿していることも。それほどの『D&D』オタクなのだ、ヴィンさまは。晴れた日には、ハリウッド界隈の『D&D』ショップで、1000ドル分ほどの買い物をしながらハーフ・オークの文化について店員と語り合うヴィンさまの姿が目撃されるという……。
ゲーム評論家は「ヴィン・ディーゼルは、スクリーンではタフガイかもしれないが、実際には愛すべきナード(オタク)である」と結論づけている。そんなヴィンさまを、アメリカのファンタジーオタクたちは親愛の情を込めて「D&ディーゼル」と呼ぶのだ。

この『トリプルX』は、そんなヴィンさまのファンタジー趣味がわかる仕掛けとなっている。
ザンダー・ケイジを演じる際、全身にまとうタトゥーに注目だ。下腹部にはサグ書体(ブラックレター)でMELKORと刻まれている。これはヴィンさまが『ダンジョンズ&ドラゴンズ』をプレイするときのキャラクター名だ! 種族は「ダークエルフ」らしい。  素晴らしいのは、この名が単なる思い付きではなく、『指輪物語』の前史にあたる『シルマリルの物語』等に登場する堕天使に由来していること。つまり、ヴィンさまはゲームだけではなく、ファンタジー全般に関するリテラシーが高いということだ。当然といえば当然だが。

ヴィンさまとファンタジーに関する逸話はまだまだあるのだが、これまた書き切れんので、このあたりで打ち止め。

丸屋九兵衛(まるや きゅうべえ)QB MARUYA

トークイベント『ヴィン・ディーゼルに捧ぐナード・プライド再起動!』を開催!
日時:2017年7月29日(土)15時開演
会場:レッドブル・スタジオ東京ホール(東京・渋谷区)
https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/01f02iyzsq45.html