INTRODUCTION
- 「スター・トレック」シリーズ第4弾は、初の女性艦長が話題となった大人気SFドラマ。1995年1月から放映が開始された本作は、その2年前から放映されていた「スター・トレック ディープ・スペース・ナイン(DS9)」と並行する形になったため、DS9とは正反対の特徴を持つことになった。極めて異色だったDS9と比べ、誰もが気軽に楽しめるエンターテイメント作品としてシリーズの原点に立ち返った作品といえる。そのため、遠い故郷を目指す冒険旅行というシンプルな設定で、1話完結の明解なストーリーとなった。女性艦長の華やかさや、当時の最新CG技術を駆使した特撮の美しさは、ビジュアルの魅力とともに、SFのロマンをかき立ててくれる。
宇宙船ヴォイジャーが7万光年の銀河の果てであるデルタ宇宙域に飛ばされ、孤立無援の状態から、故郷への帰還という大きな目標を持って旅を始める。その過程には未知の世界を探査するという「スター・トレック」本来の冒険もフィーチャーされた。
ヴォイジャーを指揮するのは、大胆な発想でクルーを引っ張る女性艦長ジェインウェイ。本作は、人類未踏の地に立ち向かう驚異のアドベンチャーであると同時に、全ての司令官の中でも最高のリーダーの一人と評判の高いジェインウェイが、女性ならではの細やかな愛情で苦境のクルーたちを導いていく理想のリーダーであるとともに、ヴォイジャーで暮らすファミリーの家長という側面も見せてくれる物語である。
また、他のキャラクターにも大いに注目で、中盤から登場し、艦長と並ぶ中心的存在として描かれる、セブン・オブ・ナイン。船の命運は、この元ボーグであるセブンにかかってくる。それ以外にも要チェックとしてホログラムのドクターが登場する。非物質的な存在をレギュラーとして設定したことにより、物語の世界が大きく広がったといえよう。
「スター・トレック ヴォイジャー」は愛と冒険の世界。故郷への長い旅路は夢とロマンにあふれている。いったいどのような形でヴォイジャーは、その長い航海を終えるのであろうか?