ボルジア家

スペシャル

  • MAP
  • HISTORY
  • 作品をもっと楽しむための用語解説

MAP

  • first season
  • second season
  • final season

HISTORY

年表

映画におけるボルジア家 文/佐藤睦雄(映画評論家)

名画「第三の男」の謎の男ハリー・ライム(オーソン・ウェルズ)は、第二次大戦後ウィーンの大観覧車でつぶやく。「イタリアではボルジア家30年間の戦争、恐怖政治、毒殺、流血のもとルネサンスが生まれた。スイスの同胞愛と500年の平和と民主主義はいったい何を生んだか?鳩時計だとさ」と。これは原作者グレアム・グリーンの小説にはないセリフで、演じたウェルズが付け足したものだが、ライムというピカレスクな人物を見事に浮かび上がらせている。

あるいは「ゴッドファーザー PARTⅢ」では、ヴァチカンの老獪なやり方に苛立ったマイケル・コルレオーネ(アル・パチーノ)が「ボルジアめ!」と叫ぶ。このように欧米では、好色さ、強欲さ、残忍、冷酷さの代名詞としてボルジア家はいい伝えられてきた。

1932年のギャング映画「暗黒街の顔役」では脚本家ベン・ヘクトがアル・カポネをモチーフとした主人公(ポール・ムニ)は、妹ルクレツィアと近親相姦の罪があるとして疑われたチェーザレ・ボルジアのごとく味付けして描いた。もっとも、「ゴッドファーザー」の原作者まり尾・ブーゾも、ドン・ビト・コルレオーネを創出するとき、チェーザレ・ボルジアを加味したといわれるから、今の映画に及ぼした影響は計り知れないのだ。

このページのトップへ